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しあわせゆき №11

「なあ、おまえの切符見せてくんない?」

シュンは少年に向かってそう言った。カズマはドキッとしてしまった。まるで脅しのようにカズマには聞こえたからだ。もしかしたら少年は今からおかしいと思って、カズマたちを警戒するかもしれないとも思った。けれども少年は表情を変えることなく冷静に切符入れをポケットから取り出し、切符を出した。やっぱりしあわせせゆきだった。よくみると馬場駅からとなっている。カズマもシュンも、知らない駅だった。

「おまえもかぁ・・・・・・。」

シュンはため息をつきながらそう言った。

「別に僕は・・・・・・。」

少年はそう言った。結構なかわいい声だった。そりゃそうだ。どう見てもこの少年は小学生だ。カズマやシュンとは違って、まだ声変わりもしていない。けれどもこの消極的な態度はなんなのだろう。

「うちに帰れなくなっちまうんだぞ。しあわせゆきだなんて俺らの家と遠いに決まってるじゃんか。」

シュンはまるで何をばかげたことを言っているんだというかのようにそう言った。カズマは何も言わず少年を見ていた。

「僕、帰りたくない。しあわせゆきってことは、幸せなところにいけるんでしょ?」

少年はそう聞いた。カズマとシュンは顔を見合わせてびっくりした。少年の考えだなんて二人には全然思いつかなかったからだ。少年は二人がびっくりしている間に、また本を読み始めた。そういえばしあわせゆきっていうことは、幸せなところかもしれない。それなら、もしかしたらそっちのほうがいいのかもしれない。

                            つづくshine

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