しあわせゆき №6
カズマは一生懸命走った。カズマに見えるのは途方もなく続く道だった。どんなに人が歩いていようが、どんなに大きな音が聞こえようが、カズマは何も気にしなかった。カズマは必死だった。自転車で行ったほうがもっと速かったかもしれない。けれど今のカズマは、行動というより感情があまりにもわいて、そんな後悔だなんてしているどころではなかった。カズマの気持ちはあまりにも先走っていた。
駅に着いた――カズマはあわてて切符を買うと、何も考えずに電車に乗ってしまった。どこにいくのかもはっきり言って分からなかった。けれど方向が同じなので、多分通るはず。この電車にこの駅で乗ったのは、カズマだけだった。カズマはぐったりといすに座った。何かすいている時間なのか、やけに人が少なかった。外を見ても誰もいなくて、無人駅とでも言うものだろうか。カズマが乗った車両だけでも三人ぐらいしかいなかった。女性だったり、変なおじさんだったり、乗っている人はさまざまだった。けれども座っている場所が皆、離れていたのでしっかりどんな人が乗っているのか見るとことはできなかった。
「出発しまぁす。」
駅長さんがそう言った。電車が動く音がして、電車の扉が閉まって、電車が動き出した。
つづく![]()
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