しあわせゆき №3
カズマは電車に何事もなく乗った。けれども心の中はどんよりしていた。部活でいつもよりもたくさんしかられたのだ。けれど別にただいつもより多くしかられただけであって、普通に部員がしかられてもおかしくないぐらい。けれどもカズマにとっては重いものだった。他の部員はしかられると、友達とひどく愚痴ったりしている。または練習してこなしてしまう。けれどカズマにはどちらもできなかった。それがカズマなのである。「おまえはどうにもならんやつだ」、顧問の先生にそう言われた。その言葉がずっと心の中に今も響いている。
「中田駅ぃ、中田駅ぃ――。」
そんなアナウンスが流れた。カズマが降りる駅はこの次の次だ。カズマはずっと電車に乗っていたいと思った。終点まで、いや、途方もなくずっとずっと。
つづく![]()
| 固定リンク
「小説・童話」カテゴリの記事
- しあわせゆき №1(2008.04.15)
- しあわせゆき №2(2008.04.17)
- 「しあわせゆき」よりあとがき(2008.11.05)
- しあわせゆき №49(2008.11.04)
- しあわせゆき №48(2008.11.03)
この記事へのコメントは終了しました。

コメント