しあわせゆき №12
「なんてこと言ってるんだよ!」
すると急にシュンがそう怒鳴った。カズマも少年も、びっくりした。カズマは少年の言った言葉に納得していたせいもあり、驚くのは仕方がないことだった。シュンが怒鳴ったっきり、みんな何も発しなくなってしまった。電車がガタンガタンと揺れて、音が鳴り響いていた。シュンは自分が今日初めてあった人間にとんでもないことを言ってしまったと思ったのか、しゅーんと元気をなくしてしまった。
「ごめん・・・・・・。」
それからシュンは結構たってから言った。そしてそれから一人、いすに座った。カズマと少年は顔を見合わせた。二人はどうすればいいかわからなかった。シュンは二人には少しいらだっているようにも見えたが、そう見えるだけで本当かも分からなかったし、だからといって何をするわけでもなかった。カズマは仕方がないので、何も言わずいすに座った。少年とも、シュンとも、微妙に離れた場所に座った。三人とも、とてもここで座っていることが、心地がよくなかった。
すると急に、少年がシュンのところに向かった。カズマは少しびっくりしたが、何も言わず少年に注目していた。シュンはカズマよりも少したってから少年の動きに気づき、少年をじっと見た。
「ごめんなさい。」
シュンの目の前で少年は言った。
「悪かったよ。おまえ悪くないよ。ただあたっただけだ。」
シュンはそう答えた。けれどカズマにはどうしてもシュンがすねているようにしか見えなかった。
「幸せ、つかんでみたかっただけなんだ・・・・・・。」
そして少年はそう言った。少年は正直に言っただけだった。きっと。その言葉に、シュンが答えることはなかった――。
つづく![]()
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