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しあわせゆき №30

「なんだよ資格がないってさぁ!資格があるから乗ってんだろうが!」

シュンはそういい怒鳴り散らした。すると駅長さんは不気味に微笑んだ。ガタンガタンと相変わらず電車は動いていく。出口駅へと――さっきとなんも変わらず。さっきと四人は違うのに。電車だけは何事もなく走っている。

「君らはどうしてアユコさんがここに乗っているのか分かっていない。」

そして駅長さんがそう言った。四人ともそんなのしあわせゆきに着いて幸せになるためだと当たり前のように思った。それがこの電車に乗る理由なんだから――。

「アユコさんは、もう不幸で孤独ではない。」

駅長さんはそう言った。四人ははっとした。それはしあわせゆきに行く理由がなくなったということではないのだろうか。しあわせゆきとは、多分不幸なかわいそうな人間が幸せになるためにある場所・・・・・・そんなところに自分の悩みを克服して楽しそうなアユコは――行ってはいけない。アユコはもう、しあわせゆきにまで行かなくても大丈夫だということだ。いや、そうなってしまうのだ。

「そんなの自分勝手すぎる!急に行き場所を変えられては困ると思いますが。」

タカギは慌てて反論した。タカギだってシュンと同様、納得がいかなかった。

「アユコさんがここにいる理由を教えてあげましょうか・・・・・・。」

駅長さんがにったりといった。四人ともごくりとつばを飲んだ。アユコはただしあわせゆきに行くためにここにいるのではないのだろうか・・・・・・?アユコ自信も、自分が他の三人とは違うということが判明してとてもぞくぞくしている。もしかしたら自分はとんでもない目にあうのかもしれないのだ。この電車の中で、何が起こるかなんて分からない。

「それはですね・・・・・・。」

駅長さんの口が動いた。四人は心臓がバクバクして、その次の言葉を聞いていいものなのか不安を抱いた。けれども駅長さんの口はどんどん話し始めた。

「アユコさんはここで幸せに解決するためにここにいる。アユコさんはもともとしあわせゆきに行くのを目的にここにいるのではないのですよ。この電車の中で、幸せになって、出口駅で降りていくのが、もうすでにアユコさんの決まっていた道なのです・・・・・・。」

               つづくnight

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