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しあわせゆき №31

駅長さんはそう言った。みんな唖然として、返す言葉がなかった。駅長さんは四人をそれぞれ見ると、それから何も言わずに隣の車両へと行ってしまった。四人ともびっくりしてしまった。何がなんだか、分からなくなってしまった――。

 それから、四人はそれぞれ別々に離れたところに座っていた。みんな暗い気持ちで、これからどうすればいいのか全然思いつかない様子だった。もしかしたらこの中でアユコ以外にもしあわせゆきに行けれない人が出てくるんじゃないかという不安や、一人ぼっちになってしまうんじゃないかという不安が、三人にはあった。そしてアユコには、今までの生活に戻らなければならないという複雑な思いと、もう二度と三人に会えないんじゃないかという不安が、心の中をよぎっていた。

 「三人とも、来い。」

すると急に、シュンが立ち上がった。そしてなぜか急に三人を集めた。なんとシュンにはとある考えが思いついたのだ。三人はもうどうしようもないような状況だったため、シュンのところに集まった。三人に見えるシュンの表情には、とても不安や心配そうな様子は見られなかった。でもシュンはマイナスの顔が出ない性格。一番四人の中で追い詰められていたのは、多分シュンではないのだろうか・・・・・・。

「みんなで、出口駅で降りよう。」

するとシュンはまじめな顔でそう言った。三人はびっくりしてつばをごくりと飲んだ。シュンは一体、なんてことを考えているのだろうというような表情で。三人はそうやってびっくりしたけれど、シュンは真剣だった。それが三人にも分かったので、三人は馬鹿にすることなくびっくりしながらも真剣に聞いた。

「俺はこのままみんなとバラバラに別れるのはいやだ。これで一人になったりすんのは真っ平だ。いっそのこと、みんなで降りよう。切符なんて関係ねぇ。こんな切符、おれらが買ったもんじゃねえもん。この様子だと、アユコは降りざる終えなくなる。だから俺らも一緒に出よう。こんなのひでぇよ。」

シュンはそう言った。シュンらしい答えだった。そしてシュンのくだした決断だった。シュンは別れが嫌いだった。それも今回のアユコとの別れ、どうもシュンには納得がいかなかった。シュンは別にしあわせゆきで降りたいわけではなかった。なので出口駅で降りてもかまわなかった。速くこの電車から出たいという気持ちもあったが、今はそんな気持ちでそんなことを言っているわけではなかった。

「僕はそれでもかまいません。もしも僕らが出口駅で降りて、今後どうなるかは分かりませんが、今後どうなるか分からないのはしあわせゆきでだって同じです。」

タカギはそう言った。タカギはシュンの意見に賛成したのだ。シュンの考えは異常なほど大胆すぎることは、タカギは承知の上だった。もっといい方法だってあるに決まっていることだって。しかし、この四人で行う行動だったら――これだと思った。

             つづくpencil

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