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前の席の飯井口君 ③

 次の日――教室では。
「飯井口もやれば出来る男じゃないか!何でもっと速くあぁいうことをしようとしなかったんだよぉ!」
かおりちゃんは教室に入るなり飯井口登馬を見つけるとそう言いニタニタした。飯井口登馬は急に自分のことでかおりちゃんが機嫌がいいので、なんだか変な感じになった。それも飯井口登馬にはそんなことを言われるような覚えはなかった。
「い、痛いよぉ・・・・・・。」
飯井口登馬はそう嘆く。いつの間にかかおりちゃんは機嫌がよすぎたのか飯井口登馬を思いっきり叩いていた。
「だってあんな立派な犬をやっつけたんだからなぁ!」
かおりちゃんはそう言いさっきよりも増して飯井口登馬を叩く。
「僕犬なんてだいっ嫌いだよぉ。」
「うそばっかり言いやがってぇ!」
飯井口登馬が弱音をはいているのにもかかわらず、かおりちゃんは機嫌よくまだ叩く。
「はぁ?飯井口が犬をやっつけただぁ?」
どこからともなく現れた木林正助がそんな会話に首をつっこんだ。
「昨日飯井口に助けてもらったんだよな!なっ、かおり!」
急にかおりちゃんは支度をしているかおりに振る。かおりは慌ててうなずいた。そしてかおりちゃんの顔が自慢げになる。
「マジかよ!」
木林正助がびっくりする。
「何で私のときは信じないくせにかおりのときは信じるわけ?」
「当たり前だろ!」
「なんですって!」
そしてまた二人のもめあいが続く。
「でも僕、覚えてないんだよね。昨日の帰り二人に会った覚えはないよ?」
飯井口登馬がなんだか申し訳なさそうに言う。それには二人はびっくりだ。あれはどう見ても飯井口登馬だったし・・・・・・。
「本人が言ってるってことは人違いなんじゃないのか?」
木林正助が冷静にそう言う。そして考え込む。かおりとかおりちゃんだって変な感じだ。これは・・・・・・ミステリー。
「ねえ、じゃあみんなで試そうよ。みんなで犬に近づくの。正助君と登馬君もいたら、もしもうそでも心強いな。」
かおりがそう提案した。と、いうことで四人は今日の放課後、凶暴な犬に近づいて昨日のようになるかという挑戦をすることとなった。
 そして放課後――。
「確かにここ、僕の帰る道と同じだけど・・・・・・。」
飯井口登馬は不思議そうにそう言った。ここを通っているのならば、かおりとかおりちゃんの帰り道に偶然ばったりあったっておかしくはない。もしかして飯井口登馬はうそを言っているのだろうか?隠し事とか――。
「もしかしてさぁ、その野良犬ってロンのこと?」
木林正助がそう言う。けれど表情や歩き方にだるさを感じる。あまり乗る気ではなかったらしい。面白そうでも興味もないっぽい。
「木林知ってんの?」
けれどかおりちゃんが聞き返す。
「どこの子かと思ってるんだよ。有名だぜ。クリーム色のやつだろ?」
木林正助はそう返す。
「けどあれはロンじゃないんだ。首輪つけてなかったの。」
するとかおりが話しに加わった。ロンという犬は怖い目つきでクリーム色の中型堅だ。この前の犬とそっくりだったが――ロンはとある家に飼われている為、首輪をつけている。しかしこの前の犬はつけてはいなかった。それにロンとは少し雰囲気が違う感じなのだ。ロンとは違ってその犬には右目の上にほくろのようなものがあったのだ。
 そんな時!とうとう、現れた――。
「あっ!あいつはロンの親戚のロサンゼルスだ!」
木林正助が大声で言った。するとそのロサンゼルスは木林正助のほうに目をむけた。こ、怖い・・・・・・。
「ぼ、僕、犬にかまれたことあっていやなんだよね、あははははぁ。」
と、飯井口登馬は一歩一歩ロサンゼルスから遠ざかっていく。
「飯井口!男だろ!びびるんじゃねえ!」
そうかおりちゃんは怒鳴りさりげなく飯井口登馬を盾にする。
「正助君、どうする・・・・・・?」
かおりが冷静に木林正助に聞く。木林正助はいざロサンゼルスを目の前にし、足が少し震えてしまっている。あまり動けるような状態ではない。そしてかくかくとかおりのほうを見た。
「逃げるぞー!」
そして四人は走り出した。それと同時にロサンゼルスも走り出し、四人を追いかけてくる。四人とも死に物狂いで走る走る。
「誰か助けてー!」
かおりはとっさにそう叫んだ。
 すると――。
「またおまえか!どっかいけ!」
あの子が、現れた・・・・・・。
「しょ、翔太郎!」
「あっ、やべっ!」
飯井口登馬が二人・・・・・・?
「どうしてここにいるんだ?」
「最近早帰りだったんだよ。」
「ここは翔太郎の通学路じゃないだろ?寄り道しちゃいけないじゃないか。」
「ご、ごめん・・・・・・。」
二人の飯井口登馬が会話をしている――。
「飯井口が怒ってる・・・・・・。」
「いや、飯井口が怒られてる・・・・・・。」
「怒って怒られてる・・・・・・。」
三人は動揺を隠せなかった。
「あんたたちなんなのよぉ!」かおりちゃんは大声で叫んだ。
 そして二人の話によると・・・・・・かおりとかおりちゃんを助けてくれたのは、飯井口翔太郎という、飯井口登馬の双子の弟だったことが判明した。
 「兄ちゃんは同じ学校に行くと足手まといになるから、俺は私立受験しなさいってお母さんが・・・・・・。」
「僕より翔太郎のほうが受験受かりそうだしねぇ。あははははぁ。」

※前回、打ち方の間違えで一部、分かりずらくなってしまいました。申し訳ございませんでした※

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