18 元気がないなら元気になれ!?
――川村は、ぐったりした体で部屋に入った。
「やけに顔色悪いねえ。」
川村が部屋に入ったことに気づいた城山は、そう言いながら川村のところにやってきた。
「だ、大丈夫だよ!」
川村は城山のほうを見ると、ぱっとそう言った。(この慌てようは何なんだろう・・・・・・わかんねぇ!)と、城山は思った。城山が、川村の気持ちを分かる日はいつになるのやら。
「ご、ご飯食べれば大丈夫!」
城山の表情が気になったこともあり、川村は続けてそう言った。今の時刻は六時半。夕食をとってもおかしくはない時間帯だ。しかしそうだったとしても、なぜか城山には川村が気にかかる。
そんなとき!
「おまえ腹減ってんのぉ?」
急にそんな声。それは二人がしっかり知っている人の声だった。ふと二人が振り返れば、なんと山岡の姿。一体いつからここにいたのか。と、山岡の手にはなぜかおにぎり。ま、まさか・・・・・・。
「おにぎり食えー!」
「うっ、うぅ・・・・・・。」
「おっ、おい!?」
山岡は急に川村に持っていたおにぎりを押し込んだ。川村が死に物狂いでおにぎりを飲み込んでいく。城山はあまりの光景に慌てるしかない。
「川村、意識はあるか?しっかりしてるぅ?」
城山は慌てて川村に声を掛ける。そのときにはもうおにぎりを飲み込み終わっていた。
「川村、元気になったか?」
「う、うぅ・・・・・・。」
「おぉ!元気になったか!よかったよかった。んじゃあまたなぁ!」
そして山岡は川村とそう交わすと去っていった。
「川村、さっきの答えたんじゃなくてうなったんだよな!大丈夫なのか!!」
慌てたように城山が言うと、川村はにっこりとした。
「だ、大丈夫だよぉ・・・元気になったし・・・・・・今日宿題たくさんあるからやらなくちゃ・・・・・・。」
川村はそれからそう言うと、ふらふらと歩き出した。(あいつ、やばいよねえ・・・もしかして、山岡をかばっているのか?)と、城山は思った。しかしそれは、川村にとって図星だったりするのだった。どうやら城山も、川村のことが分かってきたようだ。
「じゃあおれ、部屋に戻る。何かあったらいつでも言いなよ?」
「うん、ありがとう・・・・・・。」
そして二人はそう交わすと、別れた。しかしその川村の顔は、笑顔を引きつっていたのだった。(今、頼ればよかったのかな・・・・・・)と、川村はふと思うのだった。
その数分後のこと・・・・・・。
「川村、いる?」
川村の部屋に、今度は沖永がやって来た。川村はその声に、ピクッとして振り向いた。すると川村の振り向いた先に、沖永はいた。
「先に帰っちゃってたからびっくりしたよ。もしかして何かあった?」
沖永は心配そうに川村に言う。
「ううん!何もないよ!!」
川村は慌てて答える。(首まで振っちゃってるなぁ、どう見ても怪しいんだけど・・・・・・)と、沖永はどうも納得がいかない。
「んじゃあ、今度からは一緒に帰ろうな。いや、帰ろう、いや・・・・・・。」
沖永はなぜかあいまいな言葉を発する。少し慌てているところもある。口に頭がついていけていないのだろう。(これでもう嫌われる・・・・・・)と、なぜかその時川村はそのようなことを思っていた。先に帰ったということで沖永を傷付け、イコール嫌われるということに発展したと思われる。
「う、うん・・・今度からは昇降口で待ってる。」
そして川村はそう言った。(部室から一緒に帰ればいいのにぃ)と、沖永は思ったが言葉にはしなかった。
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