かおりちゃんがきらいな明日子ちゃん ③
「そんな話し聞いたことあった?」
「おれ知らねぇなぁ。」
二人はそんなことを言いながら門を登る。
「って大丈夫なのか!?こんなことして・・・・・・。」
かおりちゃんにはどうにも信じられない光景だった。けれど仕方がないので二人について門を登る。
そしてとある窓から校内へ。
「ここ、ごじゃごじゃしてるから。」
「窓の確認とか放課後されないんだよねぇ。」
「し、知らなかった・・・・・・。」
二人の平然たる様子に、かおりちゃんでもあっけに取られてしまった。全くなんという親友たちなのだろう。将来が心配である。
「おっ、あったあった。」
「よかった。明日また遊べるね。」
教室に着くと二人はサッカーボールを見つけ、手に取った。二人はとても嬉しそうだった。
「おまえら、まさか遊ぶためだけに・・・・・・?」
恐る恐るかおりちゃんが聞く。
「うん、そうだぞ?何言ってんだ?」
あきれたように木林正助がそう答える。けれどもっとあきれたのはかおりちゃんのほうだった。
「そんぐれえ明日まで我慢しろよな・・・・・・。」
かおりちゃんにはどうも納得できなかった。
「んまあおまえ、十時までここで待ってんだろ?一緒に待っててやるよ。いいよな、優太郎。」
「うん、もちろん。」
と、いうことでかおりちゃんは二人とともに四年四組で十時を待つこととなった。
四年四組は、今は人数の関係で存在しない。そのため、空室となっている。今となっては、もともとあった机意外に、多すぎた机やいすなども一緒にきちんと並べられたりしている。この教室はコース別の授業ぐらいにしか使わない。たまに、何かの話し合いで集まるときに使うとか、町内でわかれるときに使うとか、そのぐらいだ。
「ホントに出るのかよ。」
疑わしい表情で木林正助はかおりちゃんに聞いた。
「出なきゃ成仏させることすらできないし、困る。」
かおりちゃんはそう答える。
「でも江川さん、物知りそうだしね・・・・・・。」
そして相川優太郎はそう苦笑い。
と、そんな時!!
「たぁ、すぅ、けぇ、てぇ・・・・・・。」
なんとそんな怖い声が!!
「しっかり姿見せなさいよ!」
激怒するかおりちゃん。
「たぁ、すぅけぇ・・・・・てぇ・・・。」
けれどそんなかおりちゃんの言葉に反応する様子はない。
「早くここから逃げよう。やばいよ!」
そして相川優太郎はそう言うと一人廊下に出た。と・・・・・・。
「あっ!」
「ゆ、優太郎君!?」
「げっ!」
なんとも聞き覚えのある声。二人も慌てて廊下に出ると、なんとあの三人の姿。声の正体は江川明日子、中尾元香、草田姉子の三人だった。
「何だよおまえらの仕業かよ。」
あきれたように木林正助はそう言った。
「ビビッて損したぁ。」
そしてそう肩を下ろす相川優太郎。
「ってかなにやってんだよ!!おかしいと思った!!」
それからそう激怒するかおりちゃん。
「あんたずるいわよ!男二人も引き連れて!」
「そ、それはたまたま偶然だ!そっちこそ!」
「私たちは関係ないじゃない!出なかったらかわいそうだと思ってよ!」
「何だよそれ!」
「それに一人でなんて危険すぎるでしょ?だからに決まってるじゃない!」
「うそつけ!!」
またいつものようにかおりちゃんと江川明日子はもめあいになる。と、そんな時、どこからか足音が・・・・・・。
「・・・・・・。」
六人が一瞬にして静まり返る。
「おまえら、まだ誰か連れてきてたのかよ・・・・・・。」
口を震わせながらも木林正助が言う。
「まさか、作り話だったのに・・・・・・。」
すると、江川明日子からはそんな言葉。と、いうことは、と、いうことは――!?
「た~す~け~てぇ。」
「キャーーーーーー!!」
六人は走り出した!!
「うふふふふぅ。」
犯人が校長先生だということも知らないで。
「はぁはぁ・・・。」
六人は慌しく、しかし安全に、学校から出ることができた。
「おまえら何やってんだ・・・・・・。」
そんなとき、怖い声。
「おっ、お兄ちゃん・・・・・・。」
それはかおりのお兄ちゃんだった。
「誰のうちが電話があっても誰も出ないんだ?」
怒りっぽくかおりちゃんのお兄ちゃんはかおりちゃんに行った。かおりちゃんの体がピクッとする。
「てめえらみてえなお子ちゃまがこんな夜に何やってんだ。悪い子は化けもんに食べられちまうぞぉ。」
そしてそのかおりちゃんのお兄ちゃんの言葉に六人はごくり。
「いやーーーーーー!」
思わず叫んでしまうのだった。
そしてその後、かおりとかおりのお母さんも学校のもんのところにやって来た。かおりちゃんのお兄ちゃんが連絡したのだ。
「ありがとう、連絡してくれて。」
「いえ、こちらがお騒がせしてすみませんでした。」
かおりのお母さんとかおりちゃんのお兄ちゃんはそう挨拶をした。かおりちゃんのお兄ちゃんはいつもは怖いけれど、礼儀正しい。
「帰るぞバカ。」
かおりちゃんのお兄ちゃんはそう言うと、かおりちゃんの頭をげんこつした。
「いってぇ。」
そしてそんな感じで帰って行った。もちろんみんなも人それぞれかえっていったのだった。
そしてかおりとかおりちゃんのお母さんの帰りは――。
「かおりちゃんのお兄ちゃん、ちょっと怖いけどいい人だよね。」
「そ、そうね・・・・・・。」
「どうしたの?」
「私、あの子、どっかで見たことがあるような気がするのよね・・・・・・。」
「ふぅん。」
そんなことを二人は交わしながら歩いた。
その次の日。かおりちゃんはひどい顔をして学校に登校してきた。けれどもあれからもかおりちゃんと江川明日子の仲は悪い。
そして実は、かおりのお母さんの帰りに言った一言がまんざらではなかったりもする・・・・・・。
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