54 間違った選択。
「ったく、何でそういうことになるんだよ・・・・・・。」
三浦のあまりの身勝手さに、思わずそんな言葉がこぼれてしまった西嶋。そして女子三人もその話の中に入る。
「えっ?定番じゃね?」
三浦は平然とそう言う。
「何よその考えぇ・・・・・・観覧車って長いから飽きちゃったりもするもんなのよ。大きいとね。」
そして紫もそう西嶋に同意する。この二人、仲はあまり深くはなれないかもしれないが、考えや性格だけは似ていると思う。つまり、自分が二人いたら上手くやっていけないタイプの二人。
「あぁ、後、男女二人で入んなきゃいけないんだったさぁ。」
すると急に付け足すように三浦は言った。もちろんさっきの二人の言葉は全く無視。これができるから三浦は自分の考えを貫き通すことができるのではないだろうか?六人は着々と観覧車のほうへと歩きつつある。もちろん先頭は三浦。
「な、何だそれ・・・・・・。」
テンション下げ気味に西嶋は言う。
「佐々木がそうやって言ってたぞぉ。」
そして三浦はそう返答。(計画済みかよ――)と、西嶋はふと思った。そう、これはもともとあの佐々木が仕掛けたものなのだ。これほどのことをさせるとなると、仕掛け人の佐々木本人が行きたくないのも無理はない。けれどあの三浦を、よくもまあこの遊びの段取りを進める役に選んだと思う。まあ、山岡と三浦のどちらかに頼むとなれば三浦となるかもしれないが・・・・・・城山や沖永なんて三浦の立場にいたら、一体どんなことになっていたことやら。
「紫ぃ、一緒に入ろうぜ。」
そして三浦は率直にそう紫に言った。紫はびっくりして三浦を見る。あまりにも唐突過ぎた言葉に、どうすればいいのか分からなくなったのだ。
「は、はい?」
そして動揺のあまり、思わずそう聞き返してしまった。
「一緒に入ろうって言ってんだよ。いいだろ?」
「あっ、うん・・・・・・。」
(すげー、佐々木並みにすげー!!これも計画・・・・・・か?)と、思わずそんなことを思いながらも西嶋は二人を見た。三浦が何か思惑がって誘ったかは定かではないが、もしも思惑があったとしても、ここまで唐突に言わなくても・・・・・・三浦のある意味素直な性格には圧倒されてしまう。
「じゃあ篠木、一緒に入ろうぜ。」
「うん!いいよー!」
そして次に西嶋が篠木を誘う。(川村は篠木よりも田村のほうがいいよな・・・・・・)、これが西嶋の考えだった。人見知りっぽい川村には、到底篠木と二人っきりではやってけないと思ったのだ。ふと見ればもういつの間にか川村と田村は二人で一緒に話している。田村が「じゃあ私たちで入ろうね」などと川村に声をかけたのだろう。とても川村が、先に人を選ぶなどするとは思えない。それを知っていたせいか、西嶋が先に誘うことになったという感じなのである。もしもあの時、西嶋が何も言わずに突っ立っていたら、今は沈黙が続いている状態だったかもしれない。
そして六人はそれぞれに、観覧車に入ったのであった・・・・・・。
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