長野かおり

「長野かおり」ダイジェストマンガ・・・

ダイジェストムービーならぬダイジェストマンガです・・・

「長野かおり」は結構お長い話です。

なので今回、ここで紹介いたします・・・

エコのため、裏に絵を描いてしまったりして移ったりしていますが、すみません・・・

後、白黒のところもあります。

わざとだと思っていただけたら幸いです・・・

Img109

Img110

Img116

Img111

Img115


Img113

Img117


Img114



Img112



Img118

☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;;:*おまけ☆*:;;;;;:*☆*:;;;;;:*

ピース    : 今回は「長野かおり」ということで!!

木林正助  : あぁ!おれ出てるー!!

ピース    : あっ、どもぉ。入れさせてもらったよぉ( ̄ー ̄)ニヤリ

倉岡桜   : 私は、出てない・・・

ピース    : あっ・・・

ラムネおば : 私も出とらんぞ!

ピース    : どうかお許しをぉ(;ω;)

かおり    : じゃあ次も楽しみにしてますねo(*^▽^*)o

ピース    : はい、またの機会に・・・(  ̄^ ̄)ゞラジャ

かおり    : かおりちゃんがアップが出てるけど怒り顔だからイヤだって言ってました(A;´・ω・)アセアセ

ピース    : じゃあ次は可愛らしいかおりちゃんにしときます゚.+:。(・ω・)b゚.+:。

かおりちゃん: ふざけるなo(`ω´*)oプンスカプンスカ!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

かおりちゃんがきらいな明日子ちゃん ③

 「そんな話し聞いたことあった?」
「おれ知らねぇなぁ。」
二人はそんなことを言いながら門を登る。
「って大丈夫なのか!?こんなことして・・・・・・。」
かおりちゃんにはどうにも信じられない光景だった。けれど仕方がないので二人について門を登る。
 そしてとある窓から校内へ。
「ここ、ごじゃごじゃしてるから。」
「窓の確認とか放課後されないんだよねぇ。」
「し、知らなかった・・・・・・。」
二人の平然たる様子に、かおりちゃんでもあっけに取られてしまった。全くなんという親友たちなのだろう。将来が心配である。
「おっ、あったあった。」
「よかった。明日また遊べるね。」
教室に着くと二人はサッカーボールを見つけ、手に取った。二人はとても嬉しそうだった。
「おまえら、まさか遊ぶためだけに・・・・・・?」
恐る恐るかおりちゃんが聞く。
「うん、そうだぞ?何言ってんだ?」
あきれたように木林正助がそう答える。けれどもっとあきれたのはかおりちゃんのほうだった。
「そんぐれえ明日まで我慢しろよな・・・・・・。」
かおりちゃんにはどうも納得できなかった。
「んまあおまえ、十時までここで待ってんだろ?一緒に待っててやるよ。いいよな、優太郎。」
「うん、もちろん。」
と、いうことでかおりちゃんは二人とともに四年四組で十時を待つこととなった。
 四年四組は、今は人数の関係で存在しない。そのため、空室となっている。今となっては、もともとあった机意外に、多すぎた机やいすなども一緒にきちんと並べられたりしている。この教室はコース別の授業ぐらいにしか使わない。たまに、何かの話し合いで集まるときに使うとか、町内でわかれるときに使うとか、そのぐらいだ。
「ホントに出るのかよ。」
疑わしい表情で木林正助はかおりちゃんに聞いた。
「出なきゃ成仏させることすらできないし、困る。」
かおりちゃんはそう答える。
「でも江川さん、物知りそうだしね・・・・・・。」
そして相川優太郎はそう苦笑い。
 と、そんな時!!
「たぁ、すぅ、けぇ、てぇ・・・・・・。」
なんとそんな怖い声が!!
「しっかり姿見せなさいよ!」
激怒するかおりちゃん。
「たぁ、すぅけぇ・・・・・てぇ・・・。」
けれどそんなかおりちゃんの言葉に反応する様子はない。
「早くここから逃げよう。やばいよ!」
そして相川優太郎はそう言うと一人廊下に出た。と・・・・・・。
「あっ!」
「ゆ、優太郎君!?」
「げっ!」
なんとも聞き覚えのある声。二人も慌てて廊下に出ると、なんとあの三人の姿。声の正体は江川明日子、中尾元香、草田姉子の三人だった。
「何だよおまえらの仕業かよ。」
あきれたように木林正助はそう言った。
「ビビッて損したぁ。」
そしてそう肩を下ろす相川優太郎。
「ってかなにやってんだよ!!おかしいと思った!!」
それからそう激怒するかおりちゃん。
「あんたずるいわよ!男二人も引き連れて!」
「そ、それはたまたま偶然だ!そっちこそ!」
「私たちは関係ないじゃない!出なかったらかわいそうだと思ってよ!」
「何だよそれ!」
「それに一人でなんて危険すぎるでしょ?だからに決まってるじゃない!」
「うそつけ!!」
またいつものようにかおりちゃんと江川明日子はもめあいになる。と、そんな時、どこからか足音が・・・・・・。
「・・・・・・。」
六人が一瞬にして静まり返る。
「おまえら、まだ誰か連れてきてたのかよ・・・・・・。」
口を震わせながらも木林正助が言う。
「まさか、作り話だったのに・・・・・・。」
すると、江川明日子からはそんな言葉。と、いうことは、と、いうことは――!?

「た~す~け~てぇ。」

「キャーーーーーー!!」

六人は走り出した!!
「うふふふふぅ。」
犯人が校長先生だということも知らないで。
 「はぁはぁ・・・。」
六人は慌しく、しかし安全に、学校から出ることができた。
「おまえら何やってんだ・・・・・・。」
そんなとき、怖い声。
「おっ、お兄ちゃん・・・・・・。」
それはかおりのお兄ちゃんだった。
「誰のうちが電話があっても誰も出ないんだ?」
怒りっぽくかおりちゃんのお兄ちゃんはかおりちゃんに行った。かおりちゃんの体がピクッとする。
「てめえらみてえなお子ちゃまがこんな夜に何やってんだ。悪い子は化けもんに食べられちまうぞぉ。」
そしてそのかおりちゃんのお兄ちゃんの言葉に六人はごくり。

「いやーーーーーー!」

思わず叫んでしまうのだった。
 そしてその後、かおりとかおりのお母さんも学校のもんのところにやって来た。かおりちゃんのお兄ちゃんが連絡したのだ。
「ありがとう、連絡してくれて。」
「いえ、こちらがお騒がせしてすみませんでした。」
かおりのお母さんとかおりちゃんのお兄ちゃんはそう挨拶をした。かおりちゃんのお兄ちゃんはいつもは怖いけれど、礼儀正しい。
「帰るぞバカ。」
かおりちゃんのお兄ちゃんはそう言うと、かおりちゃんの頭をげんこつした。
「いってぇ。」
そしてそんな感じで帰って行った。もちろんみんなも人それぞれかえっていったのだった。
 そしてかおりとかおりちゃんのお母さんの帰りは――。
「かおりちゃんのお兄ちゃん、ちょっと怖いけどいい人だよね。」
「そ、そうね・・・・・・。」
「どうしたの?」
「私、あの子、どっかで見たことがあるような気がするのよね・・・・・・。」
「ふぅん。」
そんなことを二人は交わしながら歩いた。
 その次の日。かおりちゃんはひどい顔をして学校に登校してきた。けれどもあれからもかおりちゃんと江川明日子の仲は悪い。
 そして実は、かおりのお母さんの帰りに言った一言がまんざらではなかったりもする・・・・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

かおりちゃんがきらいな明日子ちゃん ②

 と、いうことでかおりはかおりちゃんにお母さんが来てほしいといっていることを伝えた。
「――ってことでうちに来て。」
かおりがそう言うとかおりちゃんは・・・・・・。
「何だそれ。」
と、あまり乗る気がないよう。そりゃそうだ。昨日の様子からして、保護者と親しくなるのはかおりちゃんが拒むのは無理はない。
「だからうちに来て!!お母さん、落ち込むと三日間は口聞いてくれないんだから!」
かおりはそう説得力のない発言をする。けれど落ち込むと三日間口を利いてくれないというのは真実である。あきれたかおりちゃんはとうとういやいやではあったがこう言った。
「まあ今回は特別に行ってやろう。」
頭をかきながら、やっぱりめんどくさそうだったがまあこれでかおりは一安心だ。
「よかった!」
かおりの顔が一瞬にして生き生きとする。
「かおり、誤解しないでよね!私はあんたの願いを聞いたわけじゃない!かおりのお母さんの願いを聞いただけなんだからね!」
「うん!」
ともかくかおりは、家に来てくれるということが嬉しかったのだった。
 そしてとある休み時間。昨日のことがあってか、不機嫌な子が一人いた。江川明日子だ。あれからかおりちゃんがさっさと帰ってしまったせいで、少し親にしかられたのだ。あの顔はどう見ても用事があるような子ではなかった。なので江川明日子のせいだと思ったお母さんは、少し江川明日子をしかったのだ。
「かわいそう・・・・・・。」
「そうよ!あんなこき使って!」
「優しいからって気取ってるんじゃないの?」
そして江川明日子とそう話していたのは草田姉子と中尾元香だった。この三人はいつもこのメンバーで行動をともにしている。もちろんそんな言葉、地獄耳のかおりちゃんにはしっかりと聞こえた。かおりと話していた途中だったが、急に話を中断し、三人のところへとやって来た。
「何だよおめえら!このかおり様の愚痴とは何事だ!!」
かおりちゃんはものすごく怒っていた。怒りすぎた性なのか、口調がおかしくもなっていた。
「ふんっ。愚痴ってなんかない。」
「本当のこと言ってるだけじゃんか。」
「ようよ!」
三人だってかおりちゃんに負けてはいない。すると江川明日子が、こんな話を持ちかけてきた。
「知ってる?夜の十時に学校に出るのよ。」
江川明日子はにんまりとする。
「な、何がだよ。」
顔を引きつりながらもかおりちゃんは言う。
「四年四組の担任で飛び降り自殺した男性教師が。四組の前をとおれば確実に見れるって、十時にね。」
江川明日子はまた、にんまりとする。
「それがどうしたんだよ!」
何かいいたげな江川明日子にかおりちゃんはそう怒鳴る。
「かおりなら、成仏できるわよね。」
「はぁ?」
かおりちゃんは意味の分からないような顔をする。どうしてそんな話になるのか、かおりちゃんには意味が分からなかった。
「ふっ、できないんだ。」
その話を盛り上げるかのように中尾元香は言う。
「かおりちゃんなら、きっとどうにかしてくれるのに・・・・・・。」
江川明日子はボソッとそう言った。そのとき、かおりちゃんの何かがぷつんと切れた。
「かおりちゃん、できないの・・・・・・?」
そして草田姉子の一言で、かおりちゃんの何かが爆発した。
「で、できる!やってやろうじゃんか!!」
そしてかおりちゃんはそう言った。
「ふっ、絶対よ。」
江川明日子がにんまりと言う。そしてかおりちゃんはかおりのところへといってしまった。二人の何かが火花を燃やしていた。もう火花どころか炎と化していた。
「ってか、そんな噂この学校にあったっけ?」
中尾元香が疑わしいような顔で江川明日子を見る。
「うそに決まってるじゃない。」
江川明日子はあきれたようにそう言う。
「えっ?」
そうびっくりした顔を見せる草田姉子。
「ふんっ、いいのよこれで・・・・・・。」
江川明日子はにんまりとそう言った。江川明日子の作戦は思い通りに行ったのだった。
 そしてこの会話を知っているのはこの四人のみで、他のみんなは誰もこの会話を聞いてはいなかった。かおりは、かおりちゃんと江川明日子の間ではどうも一緒にいるのはいけないような気がしたので一緒にいることなく、知るよしもなかった。
 そしてその日の放課後。
「お母さん!かおりちゃんだよ!」
「あらぁ、いらっしゃい!」
かおりちゃんはかおりとともにかおりの家へと向かった。家の中に入ると、すぐにかおりのお母さんが出迎えてくれた。
「こんにちは。」
かおりちゃんはそうかおりのお母さんに挨拶をする。
「初めまして。」
かおりのお母さんはにっこりと微笑みそう言う。
「かおりは私に「初めまして」なんて言葉、一度も言ったことはありませんでした。」
そしてボソッとかおりちゃんはそう言った。
「かおり!初めてあったときには「初めまして」でしょ!」
「ご、ごめんなさぁい!」
その時かおりちゃんはかおりが家と学校ではあまり変わらないことを確信した。
「いつもそうやってごまかしてます。」
そしてかおりちゃんはそう一言。
「かおり!そうやって謝ればいいとばかり思うのはいけません!」
「ごめんなさ~い!」
そしてまたそんな流れに。
「おじゃましま~す。」
そしてそんな親子の風景など気にせず、かおりちゃんは家へと上がっていった。そのときかおりのお母さんは、かおりちゃんを想像していた以上に大物だと感じた。
「今日はうちに泊まっていきなさい。」
どんどん入っていくかおりちゃんに、慌ててかおりのお母さんはそう言った。
「くそじじいにしかられますから帰ります。」
かおりちゃんはそうそっけなく返す。もうかおりのお母さんなど視界にない。
「私が電話をしておくから。」
必死にかおりのお母さんがそう言う。
「家に電話があっても誰も出ません。」
またまたそっけない態度で答えるかおりちゃん。かおりは一体どうなるのか、どきどきはらはら。
「そんなのでない方がいけないんだから。かおりちゃんがしかられる理由にはならないわ。」
必死なかおりのお母さんはそう返す。
「知らないから私。」
あきれたようにかおりちゃんは言った。そしてかおりのお母さんはホット肩を落とした。かおりはかおりちゃんの異変に気づいていた。いつもならハイテンションのはずのかおりちゃんが、なぜか今日はクールすぎる感じがするのだ。何を考えているのかは分からないけれど、あまり機嫌がよくないのは確かだった。その時かおりちゃんは、いろいろなことをいろいろと考えてしまっていただろう・・・・・・。
 そしてそれから三人は、自由気ままに時間を過ごした。
 そして――。
「ごめんね、お母さんが無理やり・・・・・・本当に大丈夫?」
二人っきりとなったかおりは、かおりちゃんにそう聞いた。ここはかおりの部屋。かおりには心配なことが山ほどあった。
「知~らない。」
けれどやっぱりあっけなく答えるかおりちゃん。どうやらかおりのお母さんと関係なく機嫌が悪いみたいだ。すると不意に、かおりちゃんは部屋を出ようとした。
「どこに行くの?」
不思議そうにかおりは聞く。
「トイレだよトイレ!」
機嫌が悪そうにかおりちゃんはそう言う。
「もしかしてトイレでたらもう寝ちゃう?九時半就寝?」
「トイレ行くぐらいいいだろ!全く・・・・・・。」
「ご、ごめん・・・・・・。」
そしてかおりとかおりちゃんはそう交わすと、別れた。そしてかおりちゃんはトイレに・・・・・・。
 向かったと思いきや・・・・・・。
「はあぁ・・・・・・。」
なんとこっそり家を出ていた。かおりの家から学校は徒歩で五分。十時までには余裕だ。
「後は入れるかだ・・・・・・。」
そんなことを言いながら、かおりちゃんは学校へと向かい歩き出したのだった。
 と、学校の門の前につくと、怪しげな二人。
「ちょっと、やっぱやめたほうがいいよ・・・・・・。」
「みんなもう帰っちまったって。それもいつものことだろ?」
「それはそうだけどさぁ・・・・・・。」
それは相川優太郎と木林正助だった。
「おめーら、何やってんの・・・・・・。」
あきれたように声を掛けるかおりちゃん。
「げっ!かおりだ!!」
びっくりしたように木林正助はかおりちゃんのほうに振り向いた。
「か、かおりさん。」
驚くように相川優太郎も言う。木林正助とは違い、相川優太郎には品がある。一体一緒にいてどうしてこうも性格が違うのか・・・・・・。
「で、何やってんだよ。」
あきれたようにかおりちゃんは二人に聞く。
「サッカーボール忘れちまったんだよ
。」
「うん・・・・・・。」
二人は口々にそう話す。
「はぁ?」
あまりにも軽い話に腰が抜けてしまうかおりちゃん。
「お、おまえこそ。」
いらっときたのか木林正助がかおりちゃんにそう聞く。
「えっと――。」
そしてかおりちゃんも今日なぜきたのか話したのであった。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

かおりちゃんがきらいな明日子ちゃん ①

 「かおりちゃん、今日うちでママがクッキーを焼いてて・・・一緒に食べにこない?」
ある日の学校での休み時間。席に着いていたかおりのところにそう話しかけてきたかおりの友達がいた。もちろんかおりちゃんではない。同じクラスの江川明日子(えがわあすこ)だ。
「えっ、ホント!行きたい!」
かおりは笑顔でそう言った。いや、間違えだった。かおりではない。かおりちゃんがそう言ったのだった。
「あんたじゃない!こっちのかおりちゃんに言ってんの!!急に話に入ってこないで!!!」
江川明日子は不機嫌そうにかおりちゃんに言う。もちろんかおりちゃんだって不機嫌になる。
「なんだよそれ!私もかおりだ!!」
そしてかおりちゃんは突っかかる。
「まあまあ・・・・・・。」
そしてかおりが仲裁に入る。そして江川明日子は落ち着きを取り戻す。しかし、かおりちゃんはそう簡単な人間ではない。
「かおりは別に誘われたんだからそうやってのん気にいられるかもしれないけど、私は誘われたのにもかかわらず断られたんだから!!」
かおりちゃんの大きな声がかおりの耳の中に響く。かおりちゃんは例えどんなに近くにいても、大きな声で怒鳴ることが多し。仕方がないことだった。
「あははははぁ。まあ気にすることないよ。あははははぁ。」
前の席でそんな話を聞いていた飯井口登馬がそう笑う。そしてなぜか・・・・・・。
「おまえなんかがそんなとこに行ったら独り占めして食っちまうからたまったもんじゃねえよ。」
と、木林正助も話すにつっこみ、なんだかややこしいことになってしまった。
「何だよ、食っちゃいけねえのかよ!」
「おまえじゃダメだ!」
「なんだよそれえ!」
「あははははぁ。」
「笑ってんじゃねえ!」
そして本当に、本当に、確実に、ややこしいことになってしまった。それを見ていたかおりは、一体どうすればいいのかと頭を悩ませる。そんなとき、ふと江川明日子の表情が目に入った。黙ってはいるが、とてもいい表情には見えない。せっかく自分を誘ってきてくれたのに、これではかおりは申し訳なかった。
「みんなちょ、ちょっと待って!」
そしてかおりは慌てて三人の会話を黙らせた。
「み、みんなで行こう。み、みんなで・・・・・・。」
そして改まった表情でかおりは言った。みんなきょとんとした顔になる。
「明日子ちゃん、みんなで行って大丈夫・・・・・・?」
そしてかおりは恐る恐る江川明日子に聞いた。江川明日子はあまりいい表情ではなかったが、うなずいた。すると・・・・・・。
「やったぜー!クッキー食べ放題ぃ!」
「えっ、ぼくもいいの?」
「優太郎も連れて行こうぜぇ!!」
三人は大喜びだった。
「ごめんね、明日子ちゃん・・・・・・。」
かおりは不機嫌そうな江川明日子に恐る恐る言った。しかし、江川明日子の視線は三人からはなれず、ずっとじーっと見ていた。かおりはなんだか、先が思いやられるのだった。
 江川明日子はかおりちゃんが転校してからずっと不機嫌だった。江川明日子とかおりは倉岡桜とかおりの付き合いよりもずっと前からの付き合いだった。幼稚園に上がる前からの友達で、小さいころは相当仲がよかった。かおりと倉岡桜が仲良くなったときにはよかった。倉岡桜はかおりとは仲がよかったものの、かおりを振り回すわけでもなく、束縛するわけでもなく、目立った行動をしなかったからだ。しかし、今回は違う。かおりちゃんの場合は・・・・・・振り回すし怒鳴るし起こるし、かおりは優しいからそんなことも許せるだろう。しかし、江川明日子には許せなかった。かおりがかわいそうで、ならなかったのだ・・・・・・。
 そしてその日の放課後、六人(優太郎も)は江川明日子の家にクッキーを食べにやって来た。
「ママ、みんな来てくれたよ・・・・・・。」
玄関に入ると、慌てて江川明日子のお母さんが出てきた。そしてにっこり。けれどもやっぱり江川明日子の表情は曇ったまま。かおりの不安がこみ上げる。
「あらぁ、こんなにたくさん!今出来たところなのよ。さぁ、上がって。」
そしてその言葉に甘えて、五人はおじゃましたのだった。
 そしてしっかり席に着く。しっかり着いてるとは言うものの、さすが四年生。元気なものだ。
「明日子、ちょっとコップ出してくれる?」
「う、うん・・・・・・。」
江川明日子はここの住人。さすがに五人のようにはいかない。お母さんの手伝いでコップを出す。親子での二人三脚というところだ。
「明日子ちゃん、偉いね。」
かおりがそんな様子を見ながらぼんやりと言う。少し江川明日子の顔が赤くなったのが分かった。そしてふとかおりがかおりちゃんを見ると、なんだかいつもと様子が違った。確かに二人の様子を見ているのは分かる。しかし、クッキーを急かす様子は全く見られない。ましてはボーっと、ずっと見ていたいかのように二人の様子を見てしまっている。
「かおりちゃん、どうしたの?」
かおりが心配そうにかおりちゃんに尋ねる。するとかおりちゃんははっとしたかのようにかおりを見た。なぜかびっくりしているような表情だ。
「べ、べっつに!寝不足なんだよ、ね・ぶ・そ・く!!」
慌ててそう言うかおりちゃんは、かおりにはどこか動揺しているようにも見えた。
「かおりちゃんが!?」
「どういう意味?」
「ご、ごめんなさぁい!」
そしてなぜか流れ出かおりちゃんは元気になった。これはかおりのたまに言うかおりちゃんにとっていらっとする発言の性だろう。けれど、かおりちゃんがボーっとしてしまうのも無理はなかった。親と楽しくだなんていう思い出、あった覚えはない。父親も、母親も、かおりちゃんは好きではなかった。唯一したうことができるのは、同じ立場にいるお兄ちゃんだけ・・・・・・。
「そんなに怒らなくたっていいじゃない!」
すると、かおりがかおりちゃんに怒り出したことに気づいた江川明日子がそうかおりちゃんに怒鳴った。
「なんだよ、明日子!あんたには関係ないじゃん。」
すねた感じにそう返すかおりちゃん。そしてかおりははらはらどきどき。
「いつもいつもかおりちゃんに怒ってばっかり!かおりちゃんがかわいそう!」
「かおりが悪いんだよ!か・お・り・が!」
「そうやって自分が悪いことも認められないだなんて最低!」
「はぁ?」
「かおりちゃんだっていつかは激怒するんだから!いつまでもかおりちゃんがあんたと友達でいると思ってんの?」
「それはこっちのセリフだ。かおりかおりって、かおりのことしか考えてねえ。私たちはなんなんだよ!!」
江川明日子とかおりちゃんの、とんでもない言い争いへと・・・・・・。
「ふ、二人ともどうしたの!?」
そんなとき、オーブンからクッキーを出してきた江川明日子のお母さんがびっくりしながら二人のところにやって来た。
「えーっと、いろいろありましたー。」
木林正助がそんないい加減な発言をする。木林正助ならではの空気の読み方である。
「かおりちゃん、大丈夫?」
母の心理か、わが娘よりも先に他人の子供を心配する江川明日子のお母さん。
「別に・・・・・・。」
そして口ごもってしまうかおりちゃん。そして沈黙が続く。かおりはごくりとつばを飲む。一体大丈夫なのか・・・・・・と、そんなときに、
「私帰る!!」
と、かおりちゃんがそんな発言。
「か、帰っちゃうの!?」
かおりが思わずそう口にする。

「おぉ、用事思い出した。」
「へっ?」
「私はあんたたちと違ってのん気な四年生じゃないの!んじゃあ。」
「そ、そんなぁ・・・・・・。」
そしてかおりちゃんはかおりとそう話すと、江川明日子の家を出て行ってしまったのだった。
「なんだよあいつ、食い意地のないやつぅ。」
そして木林正助はそう言うと、クッキーと食べ始めた。つまり、「例えどんな場合でも食べたいものがあれば食べる」と、いう意味である。そんな木林正助の考えには、途方にくれてしまう相川優太郎だった。
 そしてその日の夜。クッキーを食べて家に帰ってきたかおりは、その日のことをお母さんに話した。
「かおりちゃんの家って、おじいちゃんとおにいちゃんとの三人家族なのよねえ。」
するとかおりのお母さんはかおりにそう尋ねた。
「うん。そうだと思うよ。お母さんとお父さんのことは全然話に出てこないしね・・・・・・。」
そしてかおりはそう答える。
「明日、うちに連れてきなさいよ。お母さん、明日仕事お休みだし・・・・・・。」
「えっ?う、うん・・・・・・。」
思わずかおりはうなずいてしまったのだが、お母さんの何かよからぬ表情に少し不安になるのだった。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「となりのクラスの優太郎」よりあとがき

みなさん、今回の話はどうでしたか?

親友がどっかいっちゃうのってつらいものですねぇ・・・

実は木林正助は一生懸命相川優太郎との別れに一生懸命に耐えていました。

親友っていうと、結構長い付き合いだったり。

けれど長い付き合いじゃなくても、親友にだなんてなれるものですよ。

私は結構な人見知りだったりするのでそんなことはなかったりするのですが・・・。

警戒心ありすぎです。

んまあ、世の中にはかおりちゃんのようなずばずば入っていけれる人だっているのです。

私はそう言う人のほうが親しくなりますかね。

私がカチンとくるぐらいの性格の人が一番いいわけですよ。

私と親しくなるには・・・・・・

一体このあとがきで何を伝えたいのか・・・

たくさんの人と友達になって、楽しい友情関係を築いてください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

となりのクラスの優太郎 ⑤

 そして五人はというと――。
「今日は明日のためにいろいろとしなくちゃいけないんだけど・・・・・・。」
「何言ってんの!誰が行かせるもんですか!!」
まだ森林公園の中にいた。けれども相川優太郎は困り気味だ。そりゃあそうだ。明日にはもうこの町を出る予定でいたのだ。なのにもう夕方。こんなことをしていては明日、しっかり出発することはできない。
「ここで逃がすわけには行かないんだってぇ。」
「あははははぁ、翔太郎が通訳してるぅ。」
飯井口兄弟はそう他人事のように話す。全く、この二人は一体何のためにここにいるのか・・・・・・。
「かおりちゃんが正助君に同情する気持ちは分かるけど・・・・・・なんか違うような――。」
そのころかおりは一人でもじもじといろいろと考え込む。親友の相川優太郎が転校をしていってしまうのは、木林正助にとってとてもかわいそうなことだ。しかし、だからといってこのやり方では・・・・・・何も解決しないのではないだろうか?と、かおりはいろいろと考えているのである。けれども小学四年生の知恵、その先で何か考えが浮かぶわけでもなかった。
「どうしよう、お父さんたちが心配してるよ。」
「いいじゃん、別に。」
「よくないよ!」
相川優太郎とかおりちゃんはなかなか話が合わない。家族に迷惑をかけたくないと思っている相川優太郎と、それ以前に転校させたくないかおりちゃんとでは、話がかみ合わないのだ。
「ここ、離れたくないでしょ?」
するとかおりちゃんはそう言った。その顔はさっきのただ単に怒っているような顔ではなく、真剣で怖い顔をしていた。それも、相川優太郎から目を離さない。あまりのかおりちゃんからの視線に、相川優太郎の目が泳ぐ。しかし、相川優太郎はこくりとうなずいた。その様子を見ていた三人も、とうとうその時、本気で相川優太郎を転校させないようにしようと決意した。
「なら伝えなきゃ!大げさにしてさ!ふっ!」
元気よくかおりちゃんはそう言った。かおりは「大げさに」と、いう言葉には心配になったが今はなんとなく何とかなるような気がした。
「でも、できないよ・・・・・・言えないもん。」
相川優太郎は弱々しい顔でそう言う。相川優太郎は、親がどんな思いで自分に転校をしなければならないと伝えたのか知っていた。自分がわがままを言ったら、みんなにもの9すごい迷惑がかかることも承知していた。だから、転校したくないとは言えなかったのだ。
「んじゃあ書けば?」
すると飯井口翔太郎がそう言った。
 と、いうことで――。


お父さん、お母さんへ


ごめんなさい。
転校したくないです。
わがままでごめんなさい。
けど、友達のおかげで自分の気持ちを今伝えることができました。
友達と、ずっとここで住みたいです。
みんなと一緒にいたいです。



相川優太郎より



と、いう手紙を書いた。

 「本当に大丈夫なの?」
心配そうにかおりはかおりちゃんに聞く。
「やっぱりさ、直接言わなきゃ伝わらないよ・・・・・・。」
かおりはそう続けて言う。かおりにはとても今の現状がいいものには思えなかった。
「何言ってんの、かおり!」
怖い顔でかおりちゃんは言う。しかし、かおりは真剣だった。
「優太郎君、行こっ。」
かおりは相川優太郎の手を急につかみ、森林公園を出ようとした。
 その時!
「お父さん!」
相川優太郎がそう言った。
「お父さん?」
四人はびっくりして相川優太郎の視線の先を見た。すると、相川優太郎によく似た中年の人がそこに立っていた。
「優太郎・・・・・・。」
相川優太郎のお父さんはびっくりした顔で五人を見ている。
「ごめんなさい・・・・・・。」
相川優太郎はぽつんとそう言う。そしてその右手には、さっき書いた手紙をしっかりと握っていた。
「優太郎、ここで何をしていたんだ?」
相川優太郎のお父さんはそう聞く。相川優太郎は下を向いた。何も返す言葉がない。何も言う勇気がない。そんなときだった。「ここ、離れたくないでしょ?」というかおり言葉――、そして「なら伝えなきゃ!」というかおりの言葉さえ、相川優太郎の心の中に響きわたった。そして、
「このままでいたいのは確かなんだ。けど、そんなことお父さんやお母さんに言えなかったんだ・・・・・・。」
と、下を向いて相川優太郎は言った。相川優太郎のお父さんは、そんなことを言った相川優太郎の顔を優しい顔で見た。そして、相川優太郎の頭をなでた。びっくりして相川優太郎がお父さんの顔を見上げると、お父さんはにっこりしていた。
「優太郎、そのことでな――。」
 次の日。
「正助!何で先に行っちゃったのさ。」
相川優太郎は、登下校中の木林正助に声を掛けた。すると、木林正助はびっくりした顔で相川優太郎
を見た。
「引越し、中止になったんだ。」
相川優太郎はそう言った。
「優太郎!行くぞ!」
「えっ?」
そしてその日、二人は思いっきり遊んでから学校に来たため遅刻した。
 そしてその日の朝、四年一組では――。
「よかったね、、もう出張しないって言ってたし。社長さんと話をつけようとしててくれたって。今転校とかはかわいそうだからって。だからみんなには秘密でって言ってたみたい。」
「よくないわぁ。」
「えっ?」
「いいわよ、優太郎のお父さんは。それに比べてうちの馬鹿親父は・・・・・・。」
「ごめんね、フォローしきれないや・・・・・・。」
「あんたねえ!最近生意気になってきたんじゃないの!子分として失格よぉ!」
「ごめんなさぁい!」
と、二人の会話が響きわたるのだった。どうやらめでたしめでたしではないようだ。
 しかし、二人が幸せならそれで・・・・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

となりのクラスの優太郎 ④

 「木林!!」
二人がそう話していると急に、そんなでっかな声がした。その声の主はなんとかおりちゃん。かおりちゃんは二人に向かって突進してきた。そしてその後ろに、かおりがいる。
「な、なんだぁ、おまえ!」
びっくりしたように木林正助は言う。少し機嫌が悪そうだ。
「何か怒ってるみたいだけど・・・・・・別に正助は何も悪いことしてないと思うよ?」
相川優太郎は不思議そうに二人に言った。相川優太郎がそういうのも無理はない。どう見てもかおりちゃんの顔は怒っているようにしか見えないのだから。
「あっ、どうも。」
「どうも。」
そしてかおりはなぜか相川優太郎とご挨拶。
「何やってんのよかおり!そうじゃないでしょ!!」
あきれながらもかおりちゃんは怒ってそう言う。かおりは苦笑いで返す。最近かおりは、怒られて謝っても怒られるので、苦笑いで返すようになっていた。
「ちょっと優太郎の妹、脅させてもらったわよ。」
そして続けてかおりちゃんはにんまりとそう言った。二人ともはっとする。そう、ここにいる四人は重大なことを知っているのだ。
「おまえなぁ・・・・・・。」
頭をかきながらあきれたように木林正助はそう言った。
「何でそんな顔すんのよ!友達ならもっと違う表情するべきなんじゃないの?」
それに対しかおりちゃんは怒ったようにそう言う。そして続けて、
「みんなに何も言わずに転校するだなんて卑怯よ!!」
と、言った。そう、相川優太郎は転校するのだ。それも木林正助以外の友達、誰にも言うつもりはなく・・・・・・。
「いいじゃねえかよそんなこと!」
その言葉にはカチンと来たのか、木林正助はそう怒鳴った。親友の判断に反対されたのがよほど気に食わなかったのだろう。そして二人ともすっごく怖い顔となる。全くこの二人は仲が悪い。
「はぁ?私が心配してやってるっていうのに!」
かおりちゃんだってこのままでは終われない。かおりちゃんは、相川優太郎の妹から話を聞いたとき、すごく木林正助がかわいそうに思えた。なのに、なのに、こんな結果は納得できない。逆に怒られるだなんてもっての他だ。かおりちゃんは転校経験者だ。残してきた友達には悪く感じている。それは残されたものがどんなにつらいか、それを知っているからだった。だから、だから、木林正助がつらい思いをすることがあまりにも想像が出来すぎた。かおりちゃんは、別れのつらさを知っている人なのだ。
「ねえ、二人とも。本当にこれでいいの?」
かおりは二人に、そう聞いた。二人はびっくりした顔でかおりを見た。かおりの顔は、あまりにも哀れんでいた。
「べっつに。承知の上だろ!いちいちありがた迷惑なんだよ!」
すると木林正助は一変にして怖い顔になって、そう言った。そしてかおりを突き飛ばし、一人で歩いていってしまった。かおりは突き飛ばされたせいでしりもちをついてしまった。
「かおり、大丈夫か?」
「う、うん・・・。」
そしてかおりはかおりちゃんに助けられながらも立ち上がる。
「ごめんよ。正助のところに行ってくる。」
それから相川優太郎は木林正助を追いかけようとしていこうとした。しかし・・・・・・。
「おい、出発は明日なんだろ?こっち。」
「えっ・・・・・・?」
なぜかそんな会話になり、二人に連れて行かれてしまうのだった。
 それから・・・・・・。
「あははははぁ。」
「兄ちゃんいい加減にしろよ。」
三人は飯井口兄弟と合流した。
「ど、どういうことなの?」
みんなに相川優太郎が聞く。
「絶対、行かせねえからな。」
するとかおりちゃんがそう答える。つまり、転校・・・・・・させない!?
「あははははぁ、そういうことで。」
「おれら協力者ね。女二人じゃねぇ・・・・・・。」
飯井口兄弟がそう口々に言う。相川優太郎はそのとき、とてつもない展開になってしまったとただボー然としていた。
「んじゃあ行くか。」
「おぉ!」
そして五人は、森林公園で隠れることとした。森林公園なら、森なので隠れるところはいくらもあるのだ――。
 そのころ木林正助は・・・・・・。
「下校時間過ぎてるわよ。ここで何やってんの。」
と、セメント先生にしかられていた。木林正助はあれから、一人でブランコに乗っていじけていた。もう下校時間がとっくに過ぎているということもあり、学校はシーンとしていた。それに木林正助はまだ、家に帰っていない。一度帰って来てから学校に遊びに来たならともかく、一人で家に帰らず学校にいるのはなんともおかしいことなのだ。セメント先生がおかしがるのも無理はない。
「うるせぇよ!」
こんなときに木林正助はセメント先生にしかられても意味などない。木林正助は逆に怒り返した。
「先生に向かってその態度は何ですか!」
正義感旺盛なセメント先生は、そうめがねを光らせながら言う。
「今はセメントなんかにかばってられないんだよ!」
木林正助はそう言うと、ぱっと立ち上がった。その顔はどう見ても怒っている。セメント先生にも、木林正助の異変には少し分かった。
「じゃあさっさと下校しなさい!ここにいたって何も始まらない。」
そしてセメント先生はそう言った。木林正助はそれから、イライラしながらも学校を出た。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

となりのクラスの優太郎 ③

「木林君、おはよう。」
かおりは木林正助に向かってそう言った。
「あっ、おはよう。長野が挨拶なんて珍しいな。」
するとびっくりしたかのように木林正助はそう言った。
「おはようの何が悪いんだよ。いちいちいちいち・・・。」
かおりちゃんはムスッとした顔でそう言った。
「別にいいじゃんかよぉ。なんだよびっくりしたぐらいで。」
木林正助もムスッとした顔でそう言う。
「かおりに失礼だぞ!まるでかおりが挨拶もしないへなちょこみたいな言い方してたんだから!」
「はぁ?」
「そ、そこまで木林君悪くないよ!!ねっ、かおりちゃん!!」
「おれ急いでるから。んじゃあ。」
そしてそう三人はそう交わすと、話は途絶えてしまった。それから木林正助はさっさと支度をすると教室を出て行ってしまった。
「やっぱり、何かあるのかなぁ・・・・・・。」
かおりはボソッとそう言った。
「よ~しっ!」
するとかおりちゃんはそう言った。何か意気込んでいるようではあったが、かおりには何かいやな予感もしたのだった。
 それから休み時間にかおりちゃんはかおりを連れ――。
「――丸岡、野澤、田旗、おまえら知らないか?」
校庭の草むらのほうでこの三人にいろいろと話し聞いてみた。
「この三人、友達?」
かおりはかおりちゃんにそう聞いた。この三人はとなりのクラスの四年二組の男子。かおりは全くかおりちゃんが三人と知り合いとは知らなかった。
「あぁ、子分だよ。」
かおりちゃんはすんなりとかおりにそう言った。かおりは一瞬にしてポカーンとした顔になってしまった。もうかおりちゃんには、子分がいたのだ。
「あぁ、でもかおりを一番の子分にしてやったから安心しろ。」
そしてついでにもう一言。それからかおりは自分がかおりちゃんの一番の子分だったことを知った。
「でも木林のやつ、しょっちゅう二組に来るぜ。」
すると丸岡真貴がそう言った。そういえば最近、木林正助はよく休み時間には教室を出ている。
「あぁ、相川のとこよく行ってる。」
「あれじゃあ相川との関係、やばいほうへいきそうだ。」
続けて二人もそう言う。
「ふぅん。」
三人が口々に言う中、かおりちゃんは一人冷静だった。
「裏があるよな。おれ、調べようか?」
丸岡真貴がそうかおりちゃんに聞く。
「いや、ダメ。」
かおりちゃんはそう首を振る。
「まいいや、ありがとう。」
そしてかおりちゃんはそういうと歩き出した。それに慌ててかおりはついて行く。
「ねえかおりちゃん、どうするの?ねえ、変なことしないよねえ。」
かおりは心配そうにかおりちゃんに聞く。しかしかおりちゃんは何も答えてはくれなかった。けれど、何かを確信したかのような、そんな顔をしていた。
 そのころ問題になっている木林正助は――?
「優太郎・・・・・・。」
「何?」
相川優太郎と一緒にいた。いっしょに中庭を歩いていた。
「きょ、今日の給食、おいしかったよな!!」
慌てたように木林正助はそう言った。
「正助ならいつも給食はおいしいでしょ?」
するとあきれたように相川優太郎はそう言った。
「あははははぁ、確かに・・・。」
「いつも「飯井口と一緒になりたくない」って言ってるくせに。」
「一生に一回は苦笑いしたほうがいいだろ?」
「そ、そうかなぁ・・・・・・。」
二人はそれから少し笑った。けれどなんだか寂しかった。なんとなく、なんとなく――、前の二人とは今は違った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

となりのクラスの優太郎 ②

「やべっ!」
そこにいたのは、木林正助だった。木林正助は慌ててその場を逃げようとした。
「何よその顔!!」
納得のいかないかおりちゃんはムスッとした顔で木林正助をそう見る。
「鬼婆二号だぁ!!」
木林正助はそう叫ぶと、パッと走り出した。
「何だってぇ!」
一瞬にしてかおりちゃんの顔が赤くなる。
「優太郎!行くぞ!!早く出て来い!!」
そして木林正助はそう言うと、後ろを振り返る。
「おばさん、ちょっといってきます。」
店のほうからそんな相川優太郎の声が聞こえる。
「待ちな、優太郎・・・。」
けれどそう簡単に店を出られるわけがないのだった。ラムネおばは、怖い人間だから――。
 そしてそれから・・・・・・。
「正助!!またあんた盗もうとしたね!!かおり、あんたがいて助かったよ。」
木林正助は結局つかまり、店でラムネおばの前へと、相川優太郎とともに正座する羽目となってしまった。かおりちゃんはらむねおばと目を合わせると、にったりとした。かおりちゃんにしてみれば木林正助がしかられるのはもってこいの嬉しさだった。
「あんた!優太郎なんかを使って!!」
「べっつにぃ。」
「はっきりせぇ!!」
ラムネおばと木林正助の口論が続く。木林正助は駄菓子屋の商品を盗もうとしていたのだ。けれどそれにもかかわらず全然反省の顔はない。
「よく言うぜ。おまえだな、ケチババァは。三十本打って三本もらえるだぁ?そんなやつおまえしかいねえよ。なんってやつだ。よく言うぜ。優太郎、行くぞ。」
「う、うん。失礼します・・・・・・。」
そして二人はそのまま立ち上がり、またどこかへといってしまった。ラムネおばはあきれたようにため息をついた。もう止める気にもなれなかったのだ。
「なんだよあいつら。」
けれどかおりちゃんは怒っていた。ラムネおばが勢いよく怒り出したら、二人を連れ戻そうかと思っていたぐらいだ。けれどラムネおばはもうしかってもくれそうになかったし、追いかけるのはやめにした。
「正助はお父さんに似ちまったんだね全く。正助はねえ、私の孫なんだよ。」
あきれたようにラムネおばは言った。きっと今までも、散々にいろいろとやられてきたのだろう。
「へえ、なんとなく分かる。」
「一言多いよ。」
「私はこれでもお母さん似。」
「お母さんに失礼だ。」
「なんだとぉ!!」
「けど、優太郎はいい子だ。正助のせいで、悪い子になってしまったらたまったもんじゃないよ。」
「おぉ!んじゃあ私が見張ってればいいわけだな!任せとけ!!」
かおりちゃんはラムネおばとそう交わすと、さっと店を出て行った。ラムネおばは、かおりちゃんにそのことを頼んだことを、少し心配になった。その理由は、なんとなく分かる・・・・・・。
 そして次の日。教室で――。
「――相川優太郎君?」
「そう、そいつ。」
かおりちゃんはかおりに相川優太郎のことについて聞いていた。
「木林君の幼馴染だよね。」
「おぉおぉ知ってるじゃん。」
かおりは相川優太郎のことを知っていた。まあこの学年は三クラスしかないので、知っていても人数的にはおかしくはない。しかし、かおりは相川優太郎とは一回同じクラスになったことがあった。かおり的にはとてもいい子にしか思えなかった。
「その相川が木林のせいで、悪い子になっちゃうかもしれないんだよ!!そんなのまずいだろ?だから私がしっかり見張ってやるって言うわけ。」
かおりちゃんは自慢げにそう言った。かおりはちょっと苦笑い。
「でも最近、木林君あんまりいたずらとかやってないよね。」
かおりは急にそう言った。そういえばここ最近、学校で目立ってすごいことをしているような様子はない。かおりはそれを少し気にかけていたところなのだ。
「昨日やってたんだよ!!き・の・う!!」
するとかおりちゃんがあきれたように大声で言う。あまりの大きさに香りは鼓膜が破れそうになってしまった。
「で、でもさぁ、最近元気ないんじゃない?いつもより・・・・・・。」
そしてかおりは慌ててそう言う。
「えー、そうー?」
かおりちゃんはどう見てもありえないような表情をしている。
「最近かおりちゃんの話にもつっこんでこないし・・・。」
いろいろと考えるかおり。
「そういえばそうだなぁ・・・。」
ちょっとずつ納得していくかおりちゃん。
「もしかしたらあきられちゃったとか。」
「なんじゃそりゃあ。」
「んじゃあ・・・・・・悩み事とか。」
「まっさかぁ!!」
かおりとかおりちゃんはそういろいろと考え始めた。確かに最近、木林正助はいつもと違うのだ。何かがおかしい――。何かあるのは確かだ。
 そんなとき、教室に木林正助が入ってきた――。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

となりのクラスの優太郎 ①

 「そうかい、悪い先生がちょっといい先生だったかい。」
ラムネおばはそう言った。
「ラムネおばはいい人か?」
かおりちゃんは恐る恐るそう言った。
「何言ってんだい!いい人に決まってるじゃないか!!」
ラムネおばは大きな声でそう怒鳴った。横にいたかおりちゃんは慌てて耳をふさいだ。ここはラムネおばが経営している駄菓子屋。かおりちゃんはラムネおばと知り合ってからちょくちょく一人でこの店を訪れることがある。かおりちゃんにはおばあちゃんというものがいないため、ラムネおばのような存在は初めてなのだ。かおりちゃんの家系は代々女付き合いの仕方が下手なため、こういうことは仕方がないのだが・・・・・・。
「自分で言う人こそ怪しいもんだ。」
「かおり!ラムネをおごってくれたおばさんが悪い人に見えるか!!」
「それだけだろうが!」
「なんだとぉ!!でしゃばるんじゃないよ!!」
そして言い合いになる二人。お互いきつい性格のよう。いつ絶好となってもおかしくはなさそうだ。後、口ではみんなにはラムネおば目的ではなく、菓子目的で駄菓子屋に来ているのだとかおりちゃんは言っている。いつか通い続ければ絶対にいつか気軽にお菓子を暮れる日が来るだろうと。それを狙っているということだ。それを聞くかおりはいつもあきれていた。けれど、お菓子をくれるということは親しくなるということでもあって――。
「あのぉ・・・。」
するとお店に珍しくお客さんが来た。かおりちゃんが見せに遊びに来ているとき、客が来ることなんてめったにないことだ。
「おぉ、優太郎じゃないか。どうしたんだい?」
急に優しくなるラムネおば。横ではむっつりした顔でラムネおばをにらみつけるかおりちゃんの姿がある。どうやら駄菓子屋に入ってきた男、どうやら優太郎という少年はラムネおばと知り合いらしい。
「あっ、お話中ならいいです・・・・・・。」
優太郎はそういうと、もじもじと二人を見た。かおりちゃんから見て、子分にできる男だと思った。
「誰、おまえ。」
なので名前を聞いた。
「あっ、相川優太郎・・・・・・。」
すると相川優太郎はそう言った。名前を聞かれて、相川優太郎はびっくりした。相川優太郎は、かおりちゃんのことをしっかりと知っていた。だから、とっても怖かった。
「へぇ、ふぅん・・・・・・。」
かおりちゃんがにんまりとしているような、上目目線のような、そんな顔で相川優太郎を見た。相川優太郎はびっくりして下を向いた。そのかおりちゃんの顔が一体どういう意味なのか、全く持って相川優太郎にはわからなかった。
「あ、あの、トイレ借りていいですか?」
急に相川優太郎はそう言った。
「あっ、いいよ。」
ラムネおばはそう言った。
「あ、あの、どこにありますか?入ったことなくて・・・・・・。」
もじもじとそう言う相川優太郎。
「ああ、こっち。ついてきな。」
「はい・・・・・・。」
そしてラムネおばと相川優太郎はそう交わすと店の奥へと向かおうとした。
「じゃあ私はもうそろそろ帰るよ。」
かおりちゃんはそう言い、二人とは逆の方向へと向かって歩き出した。
「そうかい?んまあまたくるといいさ。」
そしてラムネおばはそういうと、相川優太郎と歩き出した。かおりちゃんは相川優太郎に目をつけようとたくらんだ。
 けれど・・・・・・。
「あんた、なにやってんの・・・・・・?」
そうはいかないようだった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)