60 佐々木情報!
そしてそんなころ、川村と西嶋も部屋へと入っていた。お互いこんなことをするのは久しぶりだったので、三浦と同様くたくただった。二人はすぐに夕食にする気にもなれず、ただただ座り込む。
「川村、篠木と同じ学校だったんだって?」
ふと西嶋が、そんなことを言い出す。川村がびくっとして西嶋を見る。
「う、うん・・・・・・。」
そして川村はそううなずく。なぜか目が泳いでいる。
「どう見ても違く見えたぞ?」
あきれたように西嶋は言う。誰が見ても、二人が同じ学校とは到底思っていなかっただろう。同じ学校だったというだけで、特に接点はなかったのだろうか。しかし、西嶋はあの篠木に言われたとき、何かよからぬことを感じた。あの篠木の表情を見て、とても接点がないようには見えなかった。
「そっ、そっか。だよね・・・あんまりしゃべらなかったし・・・・・・。」
そしてぼそぼそと川村はそう言った。この川村の表情。篠木のあの表情も見たからだろう。やけにわけありに見えてしまう。
「西嶋知らないのー?川村の元彼女じゃーん。」
すると急に、どこからかそんな声。それは佐々木の声だった。
「佐々木!おまえ!」
佐々木は急に二人の部屋に現れた。西嶋は動揺を隠せない。
「えっ?そうだろー?」
平然とした顔で佐々木は川村にそう尋ねる。
「な、何で知ってるの!?」
川村がびっくりしたような表情でそう言う。そう、川村と篠木は中学生のころ、付き合っていたという経歴があるのだ。
「篠木が言ってたよ~。」
「そ、そっか・・・・・・。」
(篠木、普通に言ってるんだなぁ・・・・・・元だもんな)と、川村はふと思った。川村だったら、とてもそんなことは口にできない。付き合っていたころだって、自分が篠木と付き合っていることは誰にも言わなかった。きっと篠木のことだ。付き合っていたころも普通に暴露していたことだろう。一方、西嶋の頭の中はこんがらがっていた。(俺はあの時、田村を選ぶべきだったのか!?)と、あのときのことを振り返る。もしかしたら、西嶋が田村を選んでいたら、何かが変わっていたのかもしれない。
「ホントにおまえらなんか遠いよなー。」
あきれながら佐々木は言う。確かにそれはあっている。
「もう勝手に部屋は行ってくんな!このドタキャン男め!」
西嶋はそう言うとそう怒って佐々木を部屋から追い出す。さっきのあの佐々木の言葉はいらいらしてたまらなかった。あの口調で言われるのも、その上自分の苦労も知らないのにという悔しさと――、とにかく腹立たしい限りだった。
「ごめんってばー!そう怒らないでくれよー!」
佐々木はそう言っていたが、そんなことにも構わず西嶋は佐々木を追い出したのであった。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


最近のコメント